この記事で整理すること
- 初期支出と毎月の運営支出を分け、支払予定月を付ける
- 未定の費用と、発生しないことを確認したゼロ円を区別する
- 売上予測と実際の入金予定を分けて手元資金を見る
見積書を、開業前の支出と開業後の支出に分ける
最初に、物件契約、設計・内装、医療機器、家具・備品、電子カルテやネットワーク、採用、研修、広報など、準備するものを列挙します。金額欄の隣には、見積先、見積日、税込・税抜の区分、支払時期、見積有効期限を書きます。合計を比べる前に、同じものが別の見積書にも含まれていないかを確認してください。
次に、賃料、人件費、システム利用料、保守、清掃、通信など、開業後に繰り返し支払うものを月ごとに並べます。研修期間の給与や、引き渡しから診療開始までの賃料は、診療収入がなくても支出が始まる項目です。開業日を境に単純に切り分けず、契約上いつ支払いが始まるかを確認します。
- 契約金・着手金・中間金・残金を別の日付で記録する
- 購入とリースでは、初期支出と月額支出の両方を比較する
- 本体価格のほか、搬入・接続・教育・保守の範囲を揃える
必要資金と調達方法を、別々に積み上げる
日本政策金融公庫の創業計画書は、必要な資金と調達方法、創業当初と軌道に乗った後の事業の見通しを分けて記入する構成です。この分け方を使い、まず支出側を積み上げ、その後で自己資金と借入予定を対応させます。融資の申込み、審査、契約、実行は同じ状態ではありません。予定額には現在の進捗も付けておきます。
補助金などを調達側に入れる場合は、申請可能性だけで確定した入金として扱わず、対象条件、決定状況、入金時期を確認します。見積額が増えた場合に追加調達できるかどうかも、この計算からは分かりません。計算で出した金額と、金融機関などに確かめた事実は、別の欄に分けて書いておきましょう。
月額費用の何か月分かだけで終わらせない
「月額運営支出×準備する月数」は、初期の資金枠を整理するための簡便な計算です。ただし、診療科ごとの材料・外注検査費、売上の立ち上がり、診療から入金までの時間差、借入返済、税や保険の支払時期まで自動で表すものではありません。月数を入力して出た金額は、安定経営を保証する数字ではありません。
次の段階では、月初残高にその月の入金を加え、支払いを差し引く資金繰り表を作ります。患者数や単価の仮定を変えた複数の案を並べると、どの前提が資金残高に影響するかを追えます。個別の税額や会計処理はここで決めず、契約書と支払予定表を揃えて担当専門家に確認します。
未定を残したまま、次に取る見積もりを決める
まだ見積もりがない項目は、空欄のまま理由を書きます。ゼロ円は「費用が発生しないと確認できた」ときの値であり、「まだ調べていない」の代わりにはしません。工事の追加条件、ネットワーク工事、撤去や原状回復、契約変更時の負担などは、相手方への質問リストに移します。
開業資金シミュレーターに入力する前に、このページの確認表を使って手元の見積書を整理してください。試算を共有するときは、金額だけでなく、入力日、未定項目、見積もりに含まれていない支出も添えます。相手には、総額の印象より、未確認の項目への具体的な回答をもらいましょう。
確認リスト
0 / 6 項目を確認済み
作業の進み具合の記録です。完了しても適法性や事業の可否を判定するものではありません。
出典・確認日
- 日本政策金融公庫:創業計画書 ↗確認日:2026-10-16
- 日本政策金融公庫:創業の手引(2026年5月) ↗確認日:2026-10-16
制度の対象・期限・地域ごとの取扱いは、必ず最新の公式案内をご確認ください。本文は一般的な情報と資料整理の手順であり、個別の法務・税務判断を提供しません。